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申し訳ないです
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本日は、現在中国で事務所を設立していらっしゃる迫 慶一郎氏の事務所に伺いお話をして頂きました。

今回は現在進んでいる設計の建築模型を見ながら、その依頼を受けた経緯、それに対する設計・デザイン的回答の話など、途中質問を挟みながらお聞きしました。

まずは前回松原氏のレクチャーでも出てきた、四人の建築家によって設計されている現在北京の三里屯に計画中の複合商業施設の北部に立つ商業施設(全てBar1が入るらしいです)の完成予想模型図を見せていただきました。
このプロジェクトで迫さんが他の設計者の方と根本的に違ったのは、最初にデベロッパーから「中国的要素を盛り込んでほしい」という要望があったことで、ある程度の制約がある中でいかに表現するか?という事が基本にあったそうです。
それに対する回答として迫さんが打ち出したのが「金」という中国の色彩的要素で、それにプレス加工や他の色彩を盛り込むことでBarが入る商業施設という特殊な空間の艶めかしさを表現しようと考えたそうです。他にも、四角の開口部にパターンと多機能性(窓・部屋・広告塔など)を持たせることで、立面のみで何が表現できるか?という事を実践されていました。
またこの物件(他の建築家のも含め)はとても中国的なものだと思われたそうです。
というのも、日本であればこういった物件は中に入るブランドの名によって集客を狙い、建築はそれに見合った高級感が求められるのに対して、この物件(中国)では建築(デザイン)自体の派手さによってお客を呼び込もうとしているとしているからだそうです。

次に見せていただいたのが4環角地に建つ住宅と商業の複合施設で、なにより驚いたのが住宅部に入る1010居全てがワンルームということでした。
これは現在の中国の不動産(投資)ブームと人口量あってのもので、絶対に日本ではお目にかかれません。
全体的には黒と白、四角いボリュームというシンプルな構成要素を用いながらも、各階層の振りや構造の工夫、商業部の綿密に計算された空間利用(ex.テラス)などによって、かなりの迫力を持ちつつも、美しさを兼ね備えた外観になっていました。
この物件の特徴の一つとして挙げられるのが四層ごとに設けられた共用スペースで、このような空間は日本ではエントランスホールとして高さと豪華さを見せるのみに利用されがちなところを、中国では実際に住民によく利用される空間となっているそうです。

次の山東省の物件は最大住戸数を確保するために中国では珍しい規制条件から生まれた形態をしており、その内容も240住居は120パターンで作られて(!)おり、その多様さが外装表現に出ていました(しっかりとデザインされているので煩雑さ等は感じなかった)。

その他にもまだスタディ途中ではあるけれども、多機能を内包する一都市のようなコミュニティ建築が、プログラミングで形成されてゆく…という様なプロジェクトが進行していました。
そのような考えが生まれてきた背景には、中国建築の規模の大きさとデベロッパーの要望するプログラムの多さ、法規、規制の変化が短期間で起こること等があるそうです。
その一例として、他の事務所の計画をリニューアルしている物件で考えていたファサードが二週間前に法改正で没となってしまったそうです。

天津の地域開発計画では、自分たちが直接関与できる敷地のみで完結しても、本当の意味での新しいものは作れないだろうということで、依頼以上の提案をなさっていました。
これは全ての物件を通して言える事でもあるのですが、まだ中国では設計側がどうしても必要だと考えても、デベロッパーや施主が価値観や重要さを認識してくれず実現しないものが多いが、だからといって提案しないなんてことを出来るはずもないので、いつも基本的に依頼以上の仕事をなさっているそうです。

他にもまだ完全に形になっていない物件などが多く存在するのですが、これらの物件を通して中国、ひいてはこれからの建築に対して迫さんが考えているのは、ディティールの勝負、ガラス建築を突き進めることが中国で新しいものを作ろうとするのに合っているのだろうか?それは日本的な勝負の仕方で、むしろ中国でしか出来ない、日本では出来ない、そういうものがあるんじゃないかとおっしゃっていました。
形による力強さというもので、まだこれを一体何と表現したらよいのかはっきりとはしないのですが、ボリュームでの操作・シンプルなものの構成による表現が中国という土壌に撒かれたとき、なにか新たな表現(迫さんの)オリジナルになるのかもしれない、ということでした。

このレクチャーの内容は私のフィルターを通した表現で書き直しているため、実際迫さんの仰っていたことと食い違いがあると思いますがご容赦下さい。
またレクチャーしていただいた日から、随分日数が経ってしまったことをお詫びします。

ヒトコトメモ。
迫さんの事務所は若い人が多いせいか、かなりエネルギッシュな印象を受けました。
高速フル回転ってかんじです(?)
すごいです、頑張ってください。我々も頑張ります。
ちなみに写真は近状。迫さんとはなんの関係もないのですが、某所から画像を載せろとクレームが来たもので。
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by uaaworkshop2006 | 2006-08-17 11:10
沈黙の王
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今日は建材城へ行ってきた。
まず照明関係の所へ。とにかく規模がすごかった。
照明というと、日本ではヤマギワや家電製品店に行くぐらいの自分にとって、かなり刺激が強かった。照明は視覚を刺激するものであり、売る側としては刺激の強いもので特徴づけようとするのだろうが、ほのぼのとし心温まる色を売りとして利用する日本の最近の傾向とは違った、中国の勢いみたいなものを感じてしまう雰囲気だった。これは勝手な解釈であり、照明世界の実情を全く理解していない感想なのだろが…。面出薫さんや石井幹子さんの本などで照明デザインについては若干触れたことはあるものの、まだまだ勉強不足なので、もっと調べてみようと思った。金額の面などで日本よりも普及されやすいと言われているLEDの及ぼす影響などについてもそうである。

その次に向かったのが、扉を中心とする建材売り場であった。階段なども10数段1セットで売ってしまうのには驚いた。きちんと高さも調整できるようになっているのである。そういった建材を見ながら、中国の建設においてCGが重要視されていることがひしひしと伝わってきた。CGのパーツの世界に飛び込んだような気分になったのである。カタログと一部分の素材を見せられ内装を作っていくのと比べれば、庶民的にとって親切な施設だなあと感じた。

そして、パチモンなどの家具が売っている建材城へ。まず驚いたのが、パチモン自体でなく、店員が売り物の家具で昼飯を食べていることであった。もしかしたら売り物の家具ではなく、店員用の机なのかもしれない。しかし、売り場で昼食をとる店員を見て、家具を売る場所として日常に溶け込んだ建材城を感じると共に、中国人の機能重視性を感じてしまった。

その後、紙の店の竹尾に寄ってPaul Andrew設計のオペラ劇場の現場に向かった。途中大雨に降られかなりしょげてしまった。紫禁城や天安門広場の近くという中国(北京)の歴史を感じる場所に巨大なUFOが降り立ったような印象を受けた。そこには卵の優しさでなく、オームの威圧感を感じてしまった。巨大なチタン性ヴォールト天井というカバーがあり、水がある所(?)の下からくぐって中へ入り、中にはオペラハウスにシアターとコンサートホールがあるというような構成だった。自分には、中の一面に張られる赤いプライウッドがどのような大空間をつくりだすのかイメージがつかず疑問の多い現場であった。ただただ、天井が落ちてこないことを祈るばかりである。
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by uaaworkshop2006 | 2006-08-11 06:48 | ハセガワ
訪問会二回目
八月二日は、現在中国で事務所(北京松原弘典建筑設計咨詢有限公司)を構え仕事をなさっている松原弘典さんを訪ねお話を聞きました。

事務所はSOHOからも程近い場所にあり、事務所内部は建物外観を反映した形になっていてアットホームな感じでした。

まず初めにプロジェクターによって今までの松原さんの経歴と仕事内容についてざっと説明してもらいました。

まずご存知の方も多いでしょうが、松原さんは中国に来る前、伊東豊雄さんの事務所で仙台メディアテークの仕事をなさっていたのですが、今の日本にあまり魅力ある仕事がないと感じ、一旗挙げようと中国に行く事を決意したそうです。
なぜそこで中国だったのか?というのは、学生時代よく中国を訪れていて、その際中国は建物はたくさんあるのにいいものがない。と思っていたそうです。
その他にも中国をノスタルジックに捉えるつもりはないけれど、自身の幼少期の団地のイメージと社会主義によって構成された街の風景が被るのかもしれない、ともおっしゃっていました。

最初中国では文化庁からの奨学金を得る為と中国語の勉強も兼ねて一年新陽の都市計画部門で働いて、一年張永和さんの事務所で働き、2005/1より今の事務所を開設されたそうです。

面白かったのは、役所をやめた後まず行ったことが、家具を作ってそれを他の人に依頼する。それによって物の流れやお金の流れ、人々とのコミュニケーションのとり方、言語を学ぼうとした、という事でした。
先日の東福さんも実は、北京に来てまずやったことは簡単な家具を作り、それを現地の人に依頼する事で中国での仕事の流れや力量を知ろうとした…というのも、高級ホテルに泊まったことがない人に高級ホテルの依頼をしようとは思わないでしょう?という東福さんの言葉にもあるように、いかに調査検証して設計デザインしようとも、実際の現場・現状を知らずしてどう形を作ってゆくつもりなのか、という事を感覚的に知っていたのかなと思いました。
この作業(一種のコラボ?)によって松原さんが発見した
開放された市場と卸しのプロセス
人件費によって可能なオーダー
身近な技術を使える楽しさ
は、自分の考えを他人に読み取ってもらえる、その結果(コミュニケーション)が形となって現れてくる建築の醍醐味が、市場が全て完全に分業化されている日本よりも中国の方が明確に現れてくるのではないか、それこそが中国の面白さだろう。という考えに結びついていったそうです。
この今の中国のシステムに対する感じ方は、現場のコミュニケーションの苦労やシステムの非合理性、異文化間における認識の差異で現場にマイナスのイメージのあった今の私には新しく、新鮮でした。物事の捉え方は千差万別、表裏のものだと。これは今回の私たちのワークショップにも言える、都市を見る一つの視点の捉え方なのではないでしょうか。

その後実際松原さんが関わった事例の解説をふまえお話を聞いたのですが、その中で本屋の内装の仕事を請け負った際(此れはまだ竣工していません)、
施主が何も決められない
施工の遅さ
上と下との話し合いが食い違っている
現場で決めていく(一貫した予定計画がない)
今の中国の現状に応じて施主の要求がどんどん変更する
ということに、これが中国の国民性だと日本人の国民性から不条理さを感じつつも、その予想不可能性の中で動ける事に中国の可能性が潜んでいるのだろうとおしゃっていました。

どんどん変化していく中国の状況の一つとして、建築を大きく変容させるであろう要素の一つに人々のlife style意識の芽生えがあるだろうという示唆も頂きました。
それを見通した例が建外SOHOデベロッパーの売り方だろうと。

中国の経済的要素と社会システム、建築家、施主、政府、デベロッパーの融合によって生まれるものは今の中国の爆発的成長を背景に数も多く、力強く、未知なる物を生み出すパワーと可能性を秘めているのは確かだろう。
だが成熟した日本も、人々の生き方に関する意識の変化と施主と建築家の関係の変化、日本の国際的立場の転換期において日本ならではの新たな次世代を生み出す可能性を秘めていると松原さんのお話から学ぶことが出来ました。

今の日本を考えること、中国を考えること、世界を考えること、その視野は無限にあり、冷静に先を見据えることが大切であること。
今回のワークショップに参加して自分の考えがどんどん変化しているのを感じます。またいかにいままで狭視野だったのかも。
ワークショップを終えたとき、自分自身がどうかわっているのか、何か見つけることができるのか?最近頓に考えることでもあります。
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by uaaworkshop2006 | 2006-08-03 13:19 | チヒロ